日本人が必ずぶち当たる、英語の基本の使い方

マーク・ピーターセンの「日本人の英語」シリーズは、英語を学ぶ人には必読の書だ。今日紹介するのは、3冊目の「実践 日本人の英語 (岩波新書)」。

英語がわかる人、日本語がわかる人、英語も日本語もそこそこにわかる人、というのは掃いて捨てるほどいるが、英語と日本語に精通し、しかも日本人の立場から英語のわかりにくい点を指摘し、それを分かりやすい文章で解説できる人は滅多にいない。

ピーターセン氏は、英語のネイティブである。日本語は後付けで学んだものだから、さすがの彼でも日本語のネイティブほどには堪能ではないだろう。しかしピーターセン氏は「ことば」対して小説家顔負けの鋭さ、厳格さをもっており、従って、100人いたら100人の日本人英語学習者が必ずといっていいほど頭を悩ます、究極の「その部分」をピンポイントで突きとめ、解説することができる。

例えば、次の点だ。これらはどんな場合にも、必ず出てくる。

「〜の」という言い方。
日本人が直ぐ思い浮かべるのは、「A of B」とか「's」だろう。日本語はなんでも「の」で続けてしまえるので、下手をすると「彼の彼女の黄色のシューズの靴紐の汚れ」とか、普通に5個くらいの「の」が出現する。翻訳家泣かせの「の」。これをナチュラルな英語にするのは、非常に疲れる。

時制。
日本語には基本的に、現在・過去・未来くらいしかないが、英語はむしろ進行形とか完了形とか、幅を効かせた言い方がやたらに活躍する。日本人はなかなかその使い分けの感覚が分からないので、現在形一本で通す強者もいるが、やはりある程度表現の幅を広げたいなら時制ははずせない。

そして仮定法過去。
wouldやcouldを使って、「もし〜したとしたら、・・だったのに(〜しなかった)」というあれだ。90%の日本人はその存在を恐れ、基本的に使わない表現手法だが、英語ネイティブは非常によく使う。英語の達人になりたいなら、マスター必須の言い回しだ。

そして冠詞と数。
恐らくこれは前置詞と並び、意味不明ナンバーワンの文法ではないだろうか。theとa(an)の使い分け。というか、それ以前に、それをつけるのかつけないのか。これも数をこなして慣れるしかない。


以下は、もう少し高いレベルで必ずぶち当たる悩みポイント。

副詞の立ち位置と意味。

たとえば、「〜だけ」をどう言うか。
おそらく90%以上の日本人はonlyを思い浮かべるかと思うが、これはNGだ。onlyは修飾する語(語句)の直前につけなければいけないというルールがあり、挿入の位置を間違えるとまったく違う意味になってしまう。Only he speaks English と He speaks only Englishの意味はまったく違う。

たとえば、「結局」をどう言うか。
恐らく大半の日本人はfinallyを真っ先に思い浮かべるのではないか。「頑張ったが結局だめだった」みたいな場合は、in the end が正解だ。finallyは通常、「最初に、次に、最後に」のような場合に使う。

その他、原因や理由をあらわす「〜ので」というのも頻出する。
恐らく大半の日本人が真っ先に思い浮かべるのはbecauseやsinceで、ちょっと慣れた人だとこれに as が加わるのだろう。しかし英語ではこの他、so, for, andなども使われ、それぞれ微妙に、あるいは大いにニュアンスが異なる。

このように、発言する人がどう感じているか、その感じ方によって適切な単語、言い回しが変わってくるケースは多く、日本人がこれをマスターするのはかなりの訓練が必要だ。


わたしはプロの翻訳家ではないが、会社では英語の翻訳専任のようなことをやっている。アルクの英二郎やgoogleの助けを借りながら、まずはざっと日本語を英語に塗り替え、次に細かい確認・修正作業に入るのだが、80%くらいまでは完成しても、決して100%満足できるところまでもっていけた試しはない。

なぜか。

ニュアンス的なものまで翻訳する力がないからだ。英語のネイティブに近い感覚で、よりナチュラルな翻訳。それは入試に出てきそうな難解な文章を読み解いたり、人生で恐らく2度と出会わないであろう単語を覚えたりすることでは身につかない。

普通の人が日常の場面で普通に使っている、話し言葉や書き言葉。そういった出現頻度が非常に高い文法を身につけるには、マーク・ピーターセン氏のような言語感覚に優れた人の書いた著書や、English Journal、CNN Express などの生きた英語教材を、毎日地道に勉強し続けるしかない。

基本、人間は怠け者。あることを成し遂げるには、ある程度、強制的にやらざるを得ない状況に自分をもっていくのも手だ。いろいろやってみたが、ヒアリングマラソンは結構使えると思う。

「1000時間ヒアリングマラソン」で2014年、自分史上最高の英語力をつける!


posted by ヒロミシュラン at 15:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | 英語をモノにする | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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