ためないで、使いきる

さて本日は、料理研究家の有元葉子について語りたい。

イタリアと日本に家をもち、両国を行き来する有元氏。なぜ、そんなことが可能なのか。それが、わたしが彼女の著書を読み漁ったきっかけだった。突然料理に目覚めたわけでは、決してない。

有元氏は、もともと出版社で編集の仕事をしていた。いわゆる完璧主義で、やるとなれば中途半端にできない。結婚後、仕事と家庭の両立は不可能と判断し、家庭の専業主婦となった。女の子ばかり3人を育てながら、次第に料理に熱中していく。それはやがてアマチュアの域を越えた。うわさを聞きつけた雑誌の編集者が、彼女の料理を掲載したところ評判がよく、その後、レギュラーに。それがLEEだ。

仕事が波に乗ると、自然、家庭への比重はさがる。有元氏は、自身の夫について一切発言をしていないので本当のところは不明だが、なんでもこの夫、酒癖がわるく、奥さんの稼ぎが夫を越えると、ヒモ状態となり、やがて離婚に至ったという。

料理教室や出版をはじめ、自分ブランドを押し出した確固たるビジネスを構築し、軌道に乗せた有元葉子。子育てを終え、独身にかえった今、もはや経済的にも、精神的にも、物理的にも自立し、完全なる自由の身だ。死ぬまでお金の心配はない。精神的にめげることもない。あとは、この肉体が滅びるその日まで、やりたいことをやりたいようにやって、悠々と生きてゆくのみ。

なんという羨ましい身分よ!

ひとりで生きる彼女が、日々の暮らしのなかで発見し、大切に育むあれやこれやの生活の知恵が、彼女の著書を読むとよくわかる。

ためない暮らし
使いきる。 有元葉子の整理術 衣・食・住・からだ・頭
「使いきる。」レシピ 有元葉子の”しまつ”な台所術

彼女が行きついた人生の究極のコンセプトは、ためないで、使い切る
これに限る。

日々の生活のなかで、いるものと、いらないものを、見極める。それが、好きか、嫌いか。好きなものは、日常的に使い、ためない。いつもきれいな状態に保ち、十分に使い切る。ぼろぼろになるまで使ってモノとしての役目を終えたら、潔く捨てる。

そうやって選び抜かれたものは、自分自身の一部となる。だから持っているのは、同じような服ばかり。使い捨てでなく、質が良く、デザインの気に入ったものを、長く、長く、大切に使う。200年もつものと暮らす。

ためないで、使いきる

それは、すべてのことにあてはまる。
キッチンも、クローゼットも、車のなかも、頭のなかも、からだの中も。
そして最後には、自分自身も使い切る。

「充分に使いきった。はい、さようなら」

年を重ねるにつれ、増々輝きを増す有元葉子であった・・・





次回は、有元葉子の本業、料理について、少しだけ語りたい。




posted by ヒロミシュラン at 08:27 | Comment(0) | TrackBack(0) | あの作家の日常生活を覗く | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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