天才とは、変人である

ここに、3人の変人がいる。あるいは、天才ともいう。

マリス博士の奇想天外な人生
解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯
医学探偵ジョン・スノウ―コレラとブロード・ストリートの井戸の謎

ちなみに、ジョン・ハンターは18世紀の医者、ジョン・スノウは19世紀の医者、マリス博士は20世紀の化学者だ(存命中)。この三人の共通点は、基本的に生物に興味をもっていること。壊れてしまった人間のカラダを修復すること。3人ともいろいろやっているが、それが彼らの主な仕事だ。

性格的な切り口でみても、彼らは驚くほど似通っている。3人とも、興味のある対象には、恐ろしく執念深い、細かい、マニアック。四六時中そのことばかり考え、アタマの中だけでなく、実際に切り刻んだり、組み立てたりして実験する。基本的に、書物や通説や常識を疑い、2次情報を鵜呑みにせず、自分の目で見たこと(1次情報)を信じる。

自分の手足を使い、実際に目にした結果を信じるという行為は、恐ろしく手間ひまが掛かる。しかし天才というのは、そういう地道な作業に飽きない。飽きないどころか、進んでやる。どうやらそういうことが好きらしい。天才とは、そういった気の遠くなる作業に耐えられる精神、と言い換えることもできるかも知れない。

そして、その膨大な手間と暇をかけて見出した事実は、往々にして従来説にそぐわない。天才は自説を主張するが、世間は、代々信じられてきた伝説や常識に固執する。結果、天才はマイナーな存在となり、変人扱いされ、彼らが生きている間に世間に認められることは少ない。これは、芸術の世界にも通じる話だ。

18世紀、19世紀に生きた二人のドクター・ジョンも、彼らの主張する説は、受け入れられなかった。彼らの仕事は、正当に評価されなかった。当時の医学界のなかでは、ぶっちぎりの実力であったにもかかわらず。

現代に生きるマリス博士は、ノーベル賞を受賞し、その才能は認められている。しかし、その学者らしくない見た目、振る舞い、発言は、一部で物議をかもしている。少なくとも、世間的には「奇想天外」あつかいだ。しかし彼の著書を読むと、その奔放な印象とは異なり、非常にまともな感性の持ち主であることがわかる。目から鼻に抜ける賢さというか。

米国大統領トランプも、一種の天才である。それは、人類の一部の層から、病的なまでに毛嫌いされていることからわかる。思想的に一部の人間に嫌われるのは、天才の条件だ。トランプをバカ呼ばわりするメディアや識者がいるが、おそらくこのマリス博士は、トランプと馬が合うだろう。なぜなら、温暖化をはじめとする環境問題について、トランプとマリス博士の見解は、驚くほど似通っている。

天才という人種がどういうものか、18世紀、19世紀、20世紀の変人(天才)の実話から、見えてくる。


posted by ヒロミシュラン at 12:13 | Comment(0) | ノンフィクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする